ウルトラマンとその音楽
ウルトラマンという作品については私より何倍もディープなマニアが全国にたくさんいらっしゃいますからここではウルトラマンの音楽について語ってみたい。
まずは初代ウルトラマンの主題歌から。このいかにもモノラルな?安っぽさが時代を感じさせてくれる。実はこのウルトラマン青森市ではなんと第4話までしか放送されなかった!!第4話で水爆とともにウルトラマンが宇宙で爆発したので青森放送局が最終回と勘違いしてしまったらしい。その後再放送(たぶん1972:昭和47年)されるまでの数年間私を含めた青森市民は実はウルトラマンを見ていないのだ。さすが田舎である・・・従ってこのテーマ曲を聴いても実はあまり懐かしくない・・・加えてこの安っぽいサックスの音が許せない・・・
というわけで私がウルトラマンで好きなのは主題歌ではなく「特捜隊のうた」なのである。イントロに流れる名前も知らない楽器の渋い音に惚れてしまったからだ。それがホルンの音だと気付いたのは何と大学生になってから、つまり中・高の吹奏楽部ではまともなホルンの音に出会えなかったと言うことである・・・トホホ。結局今でもトランペットよりホルンが好きなのはこの曲のせいだと思う。やっぱり子供にとって音楽ってのは大きな影響力あるんだよ。いいかげんな曲聴かせちゃいけない。もちろん作っちゃいけない。ましてや吹かせちゃいかんのだ。うん。
今では特撮やアニメにフルオケのBGMなんて当たり前だが当時は子供向け番組の音楽にいい大人が真剣には取り組んでなかったと思う。作曲者はともかく演奏者は。というわけでリズムセクションにTp・Tb・Sax(Pic&Fl持ち替え)ぷらすHrと言うシンプルな編成での音楽はやはり今ひとつなのである。
ウルトラマンは作品的にも子供向け怪獣番組の域を脱しておらず、音楽的に見ても評価は決して高くないのだがこのセブンは違う!しかし実はこのウルトラセブンも青森市では放送されなかったのだ。私は親戚の結婚式で東京に行った時1回だけ運良く見ることができたが・・・子供心にウルトラマンとは違うその世界観に見終わったあと不思議な感覚がずっと残っていたのを覚えている。後年それがネリベルの曲を聞いた時の感覚に妙に近いことに気がつくわけだが。その後ウルトラマンの再放送より早く1970年(昭和45年)青森県ふたつめ(!)の民放テレビ局(ATV:青森TVである)開局記念企画でセブンは再放送された。(なぜか第1話からではなかったが・・・)ATVはUHFなので当時の旧式TVでは受信できず別売りのコンバーターが必要だったのが懐かしい。これがセブンと私の出会い。そんなわけで青森市民はウルトラマンよりセブンが好きな人が多いと思う。たぶん。さてセブンの人気の高さは作品として優れているのはもちろん音楽的にも質が高いからなのは言うまでもないでしょう。冬木透氏の曲はどれもすばらしい!
まずはホルンのぱおーんで有名な主題歌。「ウルトラセブンの歌」イントロのゴージャスさは子供心に忘れられない衝撃・・・これがオーケストラというものなのか!?ってかんじ。ランバラル風に言うと「バンドとは違うのだよ、バンドとは!」ってとこかな。2番と3番の間奏はラッパとか結構音高いのにさすがプロ、余裕で吹いてるし。(でもHrは3番の3回目のぱおーんしくじってるんだ。ふふふ。)でも好きなのはやはり「ウルトラ警備隊の歌」なんだな。この日本的?マーチはやはり勇気がわいてくる。バストロの伴奏にホルンのきざみってのがいい!ウルトラマンでは2発しかないティンパニもこの曲ではフル演奏で雰囲気最高。トランペットのビブラートがとてもステキだし。そして「そこはサスペンダーじゃなくてクラッシュ使えよ!」とツっこみたくなるラストに味があってステキな曲です。楽譜書こうかな・・・
でもセブンで最高なのはあの尾崎起世彦も参加してる「ジ・エコーズ」が元祖ハモネプと言わんばかりのハモリを聞かせてくれる「ULTRA
SEVEN」ですね。♪ワン・ツー・スリフォー〜ってやつ。この曲のホルンは主題歌よりカッコいいぞ!最後はゲシュトップでしめたりしてるし・・・GSっぽいサウンドにホルンってのが妙にいい。何かウルトラマンに比べてプレーヤーが楽しんでる気がする。そこが子供にもわかるんだと思う。
このウルトラセブンは実相寺監督の作品(ノンマルトの使者とか第四惑星ね)など特にストーリィ性の高さが評価されていますが音楽面での極めつけはやはり最終回にピアノコンチェルトを使ったことでしょう。あれは本当にまいった。(例のダンとアンヌのシルエットシーンだよ)おかげでいまだにピアノの音を聞くと僕は黒くなるんだ(謎)
やはりセブンは最高。子供番組だからといって手を抜く事なく本当に言いたいことを懸命に伝えようとする大人達の真摯な姿勢が画面から溢れている。それが子供が大人になるために一番必要なこと。セブンがなければ僕らは大人にはなれなかったかもしれない。今の子供番組には残念ながらそんな要素はない。(別の意味でいいとこあるんだけどさ)我々はセブンから学んだことを次の子供達に伝えなきゃいけない。吹奏楽という音楽もその手段にすぎないなんて俺は思っているのだが。ちなみに平成セブンはだめ。あれは子供のためではなく自分たちの為に作っているから。
そして小学校3年生。未だウルトラマンを見ていない私の前にウルトラマンが帰って来るという。待ちに待った初のリアルタイムウルトラマン。これが興奮せずにいられようか。金曜夜7時は当時の子供にとって欠かせないまさにゴールデンタイムであった。ようやく買ったカラーテレビのせいもあって鮮やかな光の明滅とともに帰ってきたウルトラマンの文字が映し出されるオープニングはもう感動・・・
まずはおなじみの主題歌。この曲だけは後にドラゴンクエストで売れに売れるすぎやまこういち氏。セブンから3年。サウンド的には美しくなってる。ウルトラ音楽としては初の?ハープとフルート、そしてシロホンが加わっている。豪華になるはずである。しかし!ノリが軽いというか子供っぽいというか重みがない。いわゆるポップスなのだ。ブラスセクションもグリスダウンしまくるし、弦はオマケみたいに使われてるし、シロホンがやっぱりガキっぽい。何よりそのコテコテのティンパニはやめてくれ!と言いたい。まあ印象的ではあるが・・唯一評価できるのは最後のハモリかな「うーるとーらまーん」っての。あれが生まれて初めてのハモリ体験って人も多いはず。30代は誰もがハモレるはず。すぎやまさんドラクエですごいメジャーになっちゃったけど僕はいいと思わない。子供にあわせて音楽のレベルを下げちゃうのが嫌い。甘いカレーを食わされてる感じ。
というわけでやっぱり好きなのは冬木BGMになっちゃう。昭和最大のヒット曲「ワンダバ」だ。(本当はなんて言うんだろう?MATのテーマか?)俺、今でもコンクールのステージ裏でワンダバ歌ってるもん(笑)出撃のテーマだもん。俺の。これもやっぱりテーマはホルンだったりする。(音程的にヤバイのはわざとなのか?誰か教えて)
作品についてはふれないと言いながら、どうしても言いたいことがありまして・・・
帰ってきたウルトラマンというのは内容の是非は賛否両論ですが、音楽的にはセブンからの流用が多かったせいもあって満足できるものでした。個人的にはリアルタイムで見たと言うこともあるでしょうが、いい作品も多かったように感じています。もちろんビデオを見るまでもなく全作品ほぼ完璧にインプットされていますが、一番忘れられないのはやはり「ベムスター」の回でしょう。
視聴率低迷からウルトラマンにセブンを出そうというこのむちゃくちゃな発想!初代セブン派には許せないでしょうが我々にとっては夢のような出来事。「セブンをナマで見れる!」みたいな。ところが、ところがである。放映予定日の昭和46年7月(確か30日だ)に突然飛行機の衝突事故が!!ガーン!画面は突然特別番組となりウルトラマンの放映は1週伸びてしまったのだ・・・そして一週間後。待ちに待ったセブンの登場だ。郷秀樹の特別あいさつというオマケつきでその日はスタート。この回なぜか街を走るマットカー(マツダコスモスポーツだ。ちなみにタイガーマスク伊達直人の愛車でもある)のバックに歌無しの主題歌が流れる。そこで初めて僕はフルートの音を聞くこととなる。
このベムスターの回は番組スタート時から意識していた「地球環境の悪化によって生み出された怪獣、あるいは蘇った怪獣」と戦ってきたウルトラマンにとって初の宇宙怪獣との戦いであった。当然苦戦するウルトラマン。必殺のスぺシウム光線もキングザウルス3世を倒すために特訓した流星キックも通用しないベムスターの強さには、あのとても強そうには聞こえない鳴き声とともに衝撃を受けた。で、必殺技を破られたウルトラマンはより強力な力を求め太陽へ向かって飛び立ってゆくが太陽に近づきすぎて引力に引き込まれてしまう。そこへセブンが助けに来る!!ここで泣かない小学生はいない!!!そして携帯型アイスラッガー?とも言うべきウルトラブレスレットをもらって帰るのでした。一方地上では加藤隊長がウルトラマンの代わりに奮戦するのだがついに打ち落とされてしまう。そこへウルトラマンが間一髪!助けに来るのだ。その時の加藤隊長のセリフは今でも忘れない!「ウ、ウルトラマンが・・・ウルトラマンが帰ってきた・・・!」もうサイコー。僕はこの番組はこのセリフのためにあったんじゃないかと思ってる。まぁそんなこと考えてたのは日本中の小学生の中で俺だけだと思うけど。帰ってくるんだよ。ウルトラマンは!結局このパターン(死んだと思ったら生きていた!)は後に某少年○ャンプで多用され全国の少年を虜にしていくんだけどね。
この回で印象的なのはもう一つ、ベムスターに宇宙ステーションV3の親友を殺された加藤隊長のドラマが描かれていたことである。(僕は伊吹隊長より加藤隊長の方が好き!大きくなったら絶対あんな人になりたいって思ってたもん)
というわけで帰ってきたウルトラマンはこのベムスター戦が第一のヤマです!第二はもちろん、アレです。むふふふ。(次回へ続く)
♭帰ってきたウルトラマンその3
そして帰ってきたウルトラマン最大の盛り上がりは2話連続のブラックキング&ナックル星人の回である。ベースはやはりセブンのガッツ星人の回でしょう。ウルトラマンの能力を研究する為にベムスターとシーゴラスを復活(使いまわしだがビデオのない当時は十分ありがたい)させ、用心棒怪獣ブラックキングを訓練するところは怪獣アロンを使ってセブンの能力を測定するガッツ星人にそっくり。その後十字架に架けられるセブンと同様にナックル星人の宇宙船によって張り付け、八つ裂き刑になるとこまでそっくり。でもファンにとっては嬉しい演出でした。ウルトラマンが予想以上の能力を持っていると知ったナックル星人はウルトラマンの「心を乱すため」郷秀樹が世話になっている坂田兄弟(岸田森&榊原るみ)を殺害してしまうのだ。いやあショックでしたよね。あれは。二郎君と一緒に泣きましたもの。その後の戦いは日本中の子供がウルトラマンを応援したに違いない。だがしかし!ウルトラマンの技はブラックキングには通じないのだ!どんなに勝ちたいと願っても勝てないことがあるんだと言う子供にとってはこれ以上ないあまりにも残酷な現実!思い出しても胸が張り裂けそうになる。だからこそ納得するしかなかったのだ。さすがのウルトラマンも復讐に燃え、平常心を失っては勝てないんだなって。「勝つと思うな思えば負けよ」とはよく言ったものだ。更にまた太陽まで飛んでいけば・・・という子供の期待も「今のウルトラマンには夕日のエネルギーでは弱すぎる」なんて残酷なナレーションに虚しくうち砕かれ、遂にウルトラマンは張り付けにされナックル星へと拉致されてゆく・・・この回の強烈な体験は何十年たっても未だに忘れられないのです。いや、ホント。
そして長い長い1週間が過ぎた。帰ってきたウルトラマン絶体絶命のピンチを救うため初代ウルトラマンとセブンが助けに来るなんて豪華すぎる展開。しかも後で兄弟(のようなもの)だったという強引な設定になるし。でもでもでもダンとハヤタが同時に変身し飛び立つ夢のような瞬間がやってきました。実はこの時の音楽が忘れられないんですよ。今でも。ウルトラマンの安っぽいテーマも宇宙空間をバックにエコー全開で流れた日にゃもう感動、そして大好きなセブンのテーマへと続きます。二人はウルトラマンにエネルギーを与えるべくクロスして飛び続けます。何度目かのクロスでウルトラマンが復活しカラータイマーが点滅。その時フェードアウトするセブンのテーマに帰ってきたウルトラマンのテーマがかぶるんですよ!これが最高!後に朝鮮民謡や紅炎の鳥に出会った時訳もなく涙が出たのはこのせいなのだ。そうだ俺は音楽に限らず「互いに相容れない二つのものが融合する」というパターンに非常に弱いのだ!(例えばライバルが最後は一緒に戦うとかさ)というわけで後の音楽人生を決定する事になった忘れられない1971年のクリスマスイブでした。
あ、どうでもいいけどあんなに苦戦したはずのブラックキングなのに最後はやけにあっさりやられちゃって拍子抜け。「初代ウルトラマンとセブンの友情」が力になったからなんてまたまた少年ジャンプみたいな説明ナレーションが入ってましたが、実は放映時間の関係でカットされたシーンにセブンとマンが対ブラックキング用の必殺技(ウルトラ投げ?)を伝授する場面があったらしいんですよ。後でそれを知ってちょっと納得したんですが。見たいですよね〜それ。DVDで出ないかな・・・
♭そしてウルトラマンA(1972年:昭和47年)音楽担当:冬木透
帰ってきたウルトラマンが終わった。気がついたらウルトラ兄弟なんて設定が誕生し、もう最初からゾフィーを長男に5人勢揃いで始まったのがこのウルトラマンAでした。実は放映直前までウルトラエースだったのがすでにそんな名前の商品があったとかでクレームが付き、急遽ウルトラマンエースにタイトル変更。おかげで最近のガキはセブンのこともウルトラマンセブンなどと言う始末。責任とれよ、エース。主題歌は冬木さんではないのですが弦楽器がメインになってて帰ってきたウルトラマンのような子供っぽい軽さはなく高級感、重量感溢れるオーケストラサウンドが子供心に残ってます。作品で流れる音楽はほとんどセブンと帰ってきたウルトラマンの流用だったので全体的に硬派な感じで好きでした。新しい設定も多かったしね。例えばボス敵ヤプールの存在とか怪獣より強い超獣とか、極めつけは男女合体変身(これのおかげで怪獣ごっこ出来なくなって困ったよ。後半一人で変身する頃にはもうみんなエースキライになってたし)とかね。でもエース最大のヒットはTACのうたですよ。もうこれ最高!劇中よく使われていたワンダババージョンも好きなんですがオリジナルの歌詞付き板がお気に入り。これ聴くと吠えなくてもホルンは格好いい楽器なんだ!と思っちゃう。軽快なベースにのって弦楽器の十六分音符が流れる流れる、刻む刻む、跳ねる跳ねる。ああ、弦楽器っていいなあ・・・と生まれてはじめて思わせてくれた名曲なんです。それにTACの隊長瑳川哲朗(大江戸捜査網、同じく井坂十蔵、の彼ね)さんはたくさんの名台詞で僕の人生を変えた人だし、忘れられない作品です。あ、でもね、このTACのうたにそっくりなのがご存じ「イリュージョン」なんですよ。俺が忘れられない曲に似てるんだからイリュージョンが女子供に受けるのは当然であろう。絶対あれ書いた人エース見てるって。
というわけで音楽はいいんですが肝心のエース君足が短くてイマイチ格好良くない・・・なんてことで作品ももうひとつ盛り上がらなかった。4兄弟が捕まっちゃうゴルゴダの丘編と兄弟全員やられちゃうヒッポリト星人編なんてのもあったのにね。ウルトラマンとセブンが来ただけで死ぬほど盛り上がったのに、5人そろっても(しまいにゃ父ちゃんまで出てきたのに)兄弟のやりとりが人間くさくてなんだか安っぽかった。(エースがウルトラマンにビンタくらってゾフィーが説教したりしてさ)それにやはりいくら相手が強くても1VS5で戦うわけに行かないから先に兄弟を動けなくしておくという苦しい展開に加え、一番若いエースが一番強いというのが子供にはどうしても納得行かなかったからなのだ。(しかもエースの声納屋五郎だし・・・)
♭そしてタロウが・・・(1973年:昭和48年)音楽担当:知らない・・・
エースの次はどんなウルトラマンだろう?そんな子供の純真な期待を完璧に裏切ってくれたのがこの作品。なんなんだよタロウってのは。ふざけるな。僕の中で何かが壊れた。同時に金曜夜7時は死んでもテレビの前にいなければならない!という鉄の掟も崩れ、私の生活はみるみる乱れてしまったのです・・・ふざけた怪獣。ふざけたメカ。ふざけた戦闘。何よりワンダバのないウルトラシリーズなんて・・・というわけで音楽も終わってました。聞く価値なしです。(でもタロウは名前以外はかっこいいんですけどね・・・)というわけでAの頃から増加しつつあった仮面ライダー派はこのタロウの放送開始によって完全にクラスの主流になったのです。ポケモンからデジモンへ・・・歴史はいつも繰り返される。そうして子供は大人になっていくんですね・・・・