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ミス・サイゴンのこと |
| 昨年の再演と楽譜出版に加え某テレビ番組の影響で今年もコンクールの自由曲として取り上げる学校も多いミスサイゴン。公式サイトがすでに閉鎖されたので曲に関する情報集めは以外に苦労する。ということで知ってる限りの情報をメモしてみました。まぁ来年以後は演奏されることは少ないと思いますけど・・・ |
1.音源
現在入手可能な音源は以下の通りである。
| 国内盤(東芝EMI) | ハイライト版 | 日本初演時のハイライト版、主演本田美奈子 |
| 全曲版 | 同じく初演時の全曲版、2枚組 | |
| 海外盤 | 全曲版 | 1989年オリジナル・ロンドンキャスト版2枚組CD |
| ハイライト版 | 1989年ロンドンキャスト・ハイライト版CD | |
| 全曲版 | 1995年インターナショナルキャスト版 | |
| ハイライト版 | 上記ハイライト版 |
この他にも1994年キャスト版とかもあるらしい。昨年の日本再演版もそのうち発売されるかもしれない。アマゾンで検索すると簡単にひっかかるので入手は容易である。個人的にはやはりオリジナルロンドンキャスト版がオススメである。本田さんには申し訳ないが歌唱力が段違いなのです。それにどんなに上手でも歌詞が日本語ではやはり無理があるので吹奏楽で「演奏」の参考にするなら、まずは原曲版を聴くべきでしょう。その上で日本版を聴くのは構わないと思いますが。
2.映像
流石に著作権の関係か日本版もロンドン版もアメリカブロードウェイ版もビデオやDVDは販売されていない。ただブロードウェイ版 はメイキングビデオというのが出ているのでいくらかは参考になるかもしれません。ただし字幕などは一切ついていないのでそれな りの語学力がないと買ってもムダでしょう。
「映像」としてのミスサイゴンをどうしても見たければマーチングバンドバトントワリング全国大会では過去に3団体がミスサイゴンで 出場しているので参考になるかならないかは別として日本パルスでビデオ、VTRを入手してみるのもよいでしょう。ヘリも飛びますか ら(謎)ちなみに日本高等学校吹奏楽連盟主催の「横浜大会」でもミスサイゴンをミュージカル形式で演奏した団体が2団体ほどある のでマニアなら見てみてはいかがでしょう。ちなみに私は持ってます(笑)
3.楽譜
吹奏楽版はデ・メイ版と宍倉版の2種類が販売されており現在も簡単に入手可能。
デメイ版は Overture、The Movie In My Mind、The Last Night Of The World、Morning
Of The Dragon、I Still Believeの5曲
宍倉版は Overture、The Movie In My Mind、Fall Of Saigon、This is the
hour の4曲がアレンジされている。
マーチング版はおなじみHal Leonald社から3種類ほど出版されているが収録曲についてはちょっと不明。
同じくHal Leonald社からピアノセレクションとボーカルセレクションも発売されている。
2004年度日本版のボーカル&ピアノセレクションも先日ヤマハから発売されたようだ。ピアノが弾ける顧問ならぜひ購入してちょっ と弾き語りすればみんなを釘付けにできる・・・かも?
4.ストーリィ
これは閉鎖された東宝のHPに詳しく載ってたのですが・・・残念。以下は日本初演版のパンフレット等から抜粋したものを簡単に再構成したものです。
○第一幕○
1975年4月サイゴン
陥落直前のサイゴン。エンジニア(フランス人との混血)が経営するキャバレー「ドリームランド」には過酷な戦闘の日々を送るアメリカのGIたちが一夜の快楽を求め集まっている。ここで働く女達もまた彼らにすがるしか生きる術がないのだ。アメリカでの平和な生活を夢見て男達に抱かれる彼女たち。今日も店では「ミスサイゴンコンテスト」が行われていた。
戦争に疲れ苛立っていたクリスは友人のジョンに連れられて店にやってきた。そんな彼にエンジニアが紹介したのが今日初めて店に出たばかりの17才のキムだった・・・。クリスは戦争という極限状況の中で失ってしまった人間らしさ、人を愛することの喜びをキムとの出会いで取り戻す。一方爆撃で全てを失ったキムもクリスを愛することで生きる支えを得る。ささやかだが幸せに暮らし始めるキムとクリス。しかし突然親の決めた婚約者トゥイが現れキムにクリスと別れるよう迫る。クリスはトゥイと争うが「サイゴン陥落は時間の問題だ。」と捨て台詞を残し去っていく。永遠の愛を誓うキムとクリス。しかし・・・
1978年4月ホーチミン
サイゴン陥落から3年後。街はホーチミン市となり人々は解放軍の再教育を受けていた。しかしエンジニアの野心は消えない。アメリカに渡り華やかな夜の帝王になるのが彼の夢なのだ。人民委員補となったトゥイは解放前のエンジニアの罪を見逃す変わりにキムを探し出すよう命じる。キムはクリスが戻ってくると信じて歌う。クリスはアメリカに戻りエレンと結婚するが毎夜ベトナムでの悪夢に悩まされる。彼の心の闇には妻エレンも入り込めない。エレンもまたそんなクリスを信じると歌う。キムの居場所を突き止めたエンジニアに連れられてトゥイがキムに復縁を迫る。クリスは戻ってこない、待ってもムダだと。しかしキムは秘密を打ち明ける。カーテンの陰から現れた子供タム。「この子が私の全て、生きる力、あの人が戻るまで私がこの子を守る」そう叫ぶキムに逆上したトゥイはタムを殺そうとする。キムはタムを守ろうとトゥイを射殺してしまう。その拳銃はあのサイゴン陥落の日、クリスが残していったものだった。
エンジニアはトゥイが死んでしまってはアメリカ行きの夢が断たれたと悲しむがタムがクリスの子ならアメリカの保護を受けられるとキムの兄になりすまして3人でバンコクへ旅立つ。
第一幕完
○第二幕○
1978年9月アトランタ
ジョンはベトナム撤退後現地に残された私生児たち(ブイ・ドイ)をアメリカに連れ戻す組織の運営をしていた。そこで得た情報、ジョンはクリスにキムが生きていること、タムという息子がいることを伝える。悩みながらもクリスとエレンはジョンと共にバンコクへと向かう。
1978年10月バンコク
キムとエンジニアはバンコクの安キャバレーで働いていた。キムのもとを訪れたジョンはクリスがバンコクへ来ていることを伝える。待ち望んだ日が遂に来たと喜ぶキムにジョンは彼が結婚していると言う真実を言えなかった。両親の遺影の前で喜びを感謝するキム。そこにトゥイの亡霊が現れる。キムの脳裏にあの日の出来事が蘇ってくる。3年前のサイゴン陥落のあの日のことが・・・
1975年4月サイゴン
警報が鳴り響く街、クリスは身分証として自分の拳銃をキムに渡しアメリカ大使館での再会を約束して基地へと向かう。混乱する街の人々は一縷の望みを託し大使館へと詰めかける。目の前の柵を越えれば自由の世界。群衆の混乱の中でキムとクリスはお互いを見出すことができない。轟音と共に最後のヘリが着陸。キムの名を叫ぶクリスをジョンは無理矢理ヘリに乗せる。自由への夢を断たれ、絶望に泣き叫ぶ群衆の上空をヘリは爆音と共に離陸して行く。
1978年10月バンコク
キムに真実を伝えられなかったとクリスとエレンに語るジョン。クリスはエレンを残しジョンと共にキムに会いに街へと出て行く。一方キムもエンジニアが探し当てたクリスのホテルへと向かっていた。不幸なすれ違いによってキムとエレンは出会ってしまう。深い絶望感の中でそれでも息子タムだけでもアメリカへと連れて行ってくれるよう懇願する。しかしエレンはそれを拒否する。キムはせめて今夜クリスに会わせて欲しいと願い部屋を去る。戻ってきたクリスとジョンは驚く。遂にクリスはベトナムでの出来事を、自分の心の閉じた部分を告白する。そして反対するジョンを振り切りエレンと共にキムのもとへと向かう。何の解決にならないかもしれないがタムはバンコクのアメリカンスクールに通わせ可能な限りの援助をすると決意して。しかしキムの心にはタムをアメリカへ、クリスのもとへ委ねることしかない。エンジニアに連れられてやって来たクリス達の前でキムは自分の取るべき最良の手段を選択する。それはタムとクリスに永遠の別れを告げること。キムはクリスが残していった拳銃を抱きしめカーテンのかげへと消える。そして・・・銃声。
第二幕完
5.ヘリの音とか・・・
楽譜には「ヘリコプターサウンド」などと簡単に書いちゃってますがこれがなかなか・・・演奏会なら本物の音をPAで流せばよいのですが、コンクールではそうもいきません。いろいろ試した結果一番ヘリっぽい音を出すためには
@バスドラやティンパニのヘッド(皮)だけを叩く
これが一番です。古いヘッドに穴空けて吊しても、スタンドに乗せても、横にしたバスドラムにかぶせてもOKです。
バサバサした音がなぜかヘリの羽の音に聞こえます。スティックの太さはお好みで。硬いスティックだと小型のヘリ。マレット系だと大 型のヘリっぽいです。叩いても反動がないので結構疲れます。しかも本職の打楽器奏者より素人の方が叩き方にムラがあってより 一層本物っぽくなります。
A床に置いたバスドラムを叩く
「床に置く」のがポイントです。決してイスやスタンドに乗せてはいけません。反対側の皮をはずしてもいけません。へりの羽音と言う よりエンジンの音がします。マーチング用のバスドラムとマレットならさらに雰囲気出ます。難点は叩きにくいってこと・・・
この二つを組み合わせるとあら不思議・・・
チェレスタはマレットさえあればグロッケンで十分でしょう。
これに弱音ペダルを踏んだピアノを加えればかなりオリジナルに近い感じになります。
クロテイルは代用不能ですからお金があるなら買う!
買えない時はあきらめる・・・
あきらめられない時はもう1台グロッケン借りてきてマレットで音色を変える。
6.資料
公演プログラムに載っていたストーリイが手に入ったので載せておきます。
演奏会パンフレットの解説用にどうぞ。(ってそりゃ違法だろオイ)プログラムより転載とか書けば大丈夫?
1975年4月 サイゴン
厭戦と倦怠に満ちた陥落直前のサイゴン。通称エンジニアが,アメリカのG.I.たちをキャバレーに呼び込んでいる。一
夜の快楽を求め,男たちはキャバレーの女たち相手に「ミス・サイゴン」選びの乱痴気騒ぎ。キムは17歳。この夜が初
めてのお勤めだった。爆撃で故郷の村は焼かれ,両親は惨殺された。生き抜くためには身を売るしかない。悲壮な決
意で店に出たキムは,エンジニアに若きG.I.クリスを引き合わされる。
クリスもやり場のない想いで毎日を送っていた。一度は本国に帰還したが,激しい反戦運動から逃れるようにサイゴ
ンに舞い戻ってきた。今は大使館のドライバーという立場。しかし,戦争に対する疑問と虚無感は拭い去れない。
一夜を共にしたキムとクリスはお互いの心に救いを見出し,急速に惹かれあってゆく。「一緒に暮そう」。キャバレーの
女たちの祝福を受け,かりそめの結婚式を挙げる二人。そこにキムの許婚と名乗るトゥイが現れ,G.I.と共にいるキム
に怒りを爆発させる。だが,それも二人の絆をいっそう強めるだけだった。しかし,周りの環境は刻一刻と緊迫してゆ
き,サイゴン陥落の時が間近に迫っていた。
1978年4月 ホー・チ・ミン(旧サイゴン)
陥落から3年,街はホー・チ・ミンと名を変えている。エンジニアはアメリカに渡る夢を抱き,キムはクリスの帰りを待ち
わびていた。そして二人が想いをはせるアメリカでは,クリスが毎夜,ベトナムの悪夢にうなされていた。そのかたわら
には,心を閉ざす夫に胸を痛める妻エレンがたたずんでいる。
やっとキムを探しあてたトゥイは,彼女がクリスとの息子タムを育てているのを目の当たりにして,愕然とする。逆上し
てタムを殺そうとするトゥイを,キムは射殺してしまう。その拳銃は,サイゴン陥落の日,クリスが残していったものだっ
た。キムは,エンジニアに救いを求めた。アメリカ人の血が流れるタムをパスポート代わりにと考えたエンジニアは,二
人を連れてバンコクに流れてゆく。
1978年9月 アトランタ
クリスのベトナムでの戦友ジョンは,アメリカ兵とベトナム女性との私生児ブイ・ドイを,アメリカに呼び寄せる組織を運
営している。彼から,キムがバンコクに生きていて,自分との子供を育てていることを知らされたクリスは,妻と共に,バ
ンコクを訪れる決心をする。
1978年10月 バンコク
キムとエンジニアは安キャバレーで働いていた。ジョンからクリスがバンコクにいることを聞いたキムは喜びにあふ
れ,「彼が生きがいなのよ,夜は彼だけを私は思う」t,愛する人を待ち続けた切ない想いを語る。そんなキムの心に,3
年前のサイゴン陥落の悪夢がよみがえってきた。
1975年4月 サイゴン
混乱と喧騒の中,クリスは身分の証として拳銃をキムに渡し,大使館での再会を約して基地へ向かった。しかし殺気
だった群衆にはばまれ,二人はお互いを見つけ出すことが出来ない。轟音と共に最後のヘリコプターが到着し,ジョン
は,キムの名を呼びつづけるクリスを引きずるようにヘリに乗せた。
1978年10月 バンコク
クリスとの再開を待ちきれないキムはホテルに走った。しかし,そこで出会ったのは,クリスの妻エレン。「彼は出直し
たかった」と,クリスのアメリカでの苦しみを説明するエレンに,「せめてタムを引き取って欲しい」と,キムは言い残して
去ってゆく。妻からその話を聞かされたクリスは,「話そう,あの頃を」と,閉ざしていた心の扉を初めて妻に開いた。そ
の頃,キムはタムを前に,ある決意を固めていた・・・・・。