〜いつかどこでサンバルカン〜

 戦隊物25周年という記念すべき年にハリケンジャーがスタートしました。
ところが通常5人のはずがな、なんと3人!
ちょっとまて!3人は長い戦隊物の歴史の中でサンバルカンだけなんだ。
それだからこそサンバルカンなんだ。
これは許せん!
今こそ語らねばならない。サンバルカンの素晴らしさを。

1.戦隊物はなぜ5人なのか?

そもそも第1作「秘密戦隊ゴレンジャー」はなぜ5人だったのか?この5人で敵と戦うというのは日本の伝統的な競技柔道や剣道の団体戦から来ていると見てほぼ間違いないだろう。集団で敵と戦っても卑怯とは言われない、むしろ力を合わせて戦った!と賞賛される数、それが「5」なのだ。実際戦隊物ではこちらが5人なのに敵はいつも1人である事からもそれは正しいと思われる。これが6だと何となく弱い物いじめに見えるし、4だと負けそうな感じがするから不思議だ。ゴレンジャーの原作者石ノ森章太郎氏は孤独な戦いを続ける仮面ライダーと言う日本を代表するヒーローを産んだが、その一方で集団で戦うヒーローを描いていたのだからやはりその才能は賞賛に値する。

2.元祖5人物は?・・・

忍者部隊月光と言う説が有力ではあるがいくらなんでもそこまで遡ることはないと思う。常識的に考えて5人物の元祖は「科学忍者隊ガッチャマン」であろう。このガッチャマンと言う作品は当時のアニメとしては細部まで練りこまれたタツノコプロの最高傑作であり、基本的にこのガッチャマンのメンバー構成が現在の戦隊物の原型になっているというのは疑うべき所はないだろう。まずリーダー大鷲の健。正義感溢れる熱血タイプ。そしてそのリーダーに反発するクールな存在コンドルのジョー。戦いに花を添える女性キャラ白鳥のジュン。足手まといの子供燕の甚平。そしてチームに笑いをもたらす温厚なキャラ、みみずくの竜。そう、基本的にリーダー、ライバル、女、子供、デブが5人組の基本なのである。更に意味のない合体マシンゴッドフェニックスってのも最後は巨大化した敵を合体ロボで倒すというお約束の元祖であろう。どうでもいいけど科学忍者隊と言ってるくせに5人の合体技は竜巻ファイターだけ!決め技の科学忍法も火の鳥だけだった(影分身バージョンもあったけどさ)のはどう考えても納得できないよね。

3.赤、青、黄色・・・

ではゴレンジャーを見てみよう。リーダーアカレンジャーは言うまでもなく健である。そしてアオレンジャーがジョー、キレンジャーが竜、モモレンジャーがジュン、とほぼ完璧に対応しているのがわかるだろう。違うのは子供ではなくミドレンジャーという曖昧なキャラが加わっている事である。これは後に「緑は戦隊物のお荷物」とも言われ、「別に緑じゃなくてもいいじゃん?」という緑不要論争を巻き起こすのであるが。それにしても情熱とか熱血という言葉が赤をイメージさせるとは言え赤=女性の色という認識が強い日本においてリーダーが赤というのは画期的だった。ただ、アカレンジャー役の彼はそれ以前に「ファイヤーマン」役だったので子供心に違和感はなかったんですが。リーダーに反発する役柄が青ってのは納得。ボクシングでも挑戦者は青コーナーじゃなかったっけ?そのアオレンジャー役を仮面ライダーV3の彼が演じたのがゴレンジャーヒットの最大の要因でしょう。劇中ではアカレンジャーとアオレンジャーが対立することはなかったのに何となくアオレンジャーが「俺はV3だ!主役は俺だろ!普通」と言ってるような気がして作品に奥行きができたような気がします。カレーばっかり食べてたキレンジャーでしたがやはり緊迫したチームを和ませる調和の色として黄色はぴったりですね。でも番組途中でキレンジャー役が諸事情により細い人に交代したら人気が落ちた事からもわかるように黄色はデブでなければいけなんです。なんでだろ?女性の象徴とも言える色である赤をリーダーが使ってしまったことにより本当の女性はピンクを使うことになります。ゴレンジャーのいいところはそれをピンクレンジャーとせずモモレンジャーとした事ですね。センスが光ってました。緑については・・・どうでもいいや。

4.そしてサンバルカン

ゴレンジャーから多少の色の変更(白と黒が入った)はあったものの基本的に戦隊物は5人5色で進行していた。ところが「太陽戦隊サンバルカン」はいきなりの3人!!基本キャラのリーダー赤、ライバル青、ひょうきん者黄の3人だけ!最初こそ物足りなく感じたものの回を重ねるごとに、女子供を廃止したシンプルな構成の素晴らしさに私はすっかり魅了されてしまったのである。ちなみにゴレンジャー放送当時私は高校生、サンバルカン放送時は大学生。大学生のくせに子供番組見てたのかよ!といわれると返す言葉はないが当時は戦隊物=日曜朝7時30分ではなく5:00とか5:30だったのでちょうど授業が終わって部屋でゴロゴロしてる時になんとなく・・・ね。(青森は民放のチャンネルが少ないのだ)しかしサンバルカンは実は素晴らしい番組だったのである!

5.3という数の神秘。

何と言ってもサンバルカンの素晴らしさは3人で戦ったと言うことである。言うまでもないがウルトラシリーズ最高の盛り上がりは帰ってきたウルトラマンを助けに初代ウルトラマンとセブンが登場した時であった。その後ゾフィーを加えエースの放送時にはウルトラ5兄弟、タロウの放送時には6兄弟という設定になるのだが、とたんに人気は落ちてしまった。仮面ライダーも視聴率的にはWライダー編を頂点にV3時代までが最高で、エックス以降は落ちる一方だった。つまり5人で戦うのが基本の勝負に3人で挑むというシチュエーションが猛烈にカッコイイのであって、いくら主人公が絶体絶命のピンチであっても助っ人は2人まででなければいけない。それを越える事はもう生理的に許せないのが男の子ってもんなんだ。そう、男は3人で戦う姿が最も美しいのだ!名作巨人の星でも甲子園で花形、飛雄馬、伴宙太が抱き合うシーンは忘れられない。女3人は姦しい。しかし男三人は世界の基本。三人よれば文殊の知恵。赤青黄は色の三原色。天地人、陸海空、回るワルツは三拍子。三は世界を作る神秘の数。

6.男だけの美学。

ところが5人で戦う戦隊物には必ず女、子供というお荷物がつく。それは戦闘時には時として足手まといとなるばかりでなく、男の戦いに色恋を持ち込むなどまったく持って不用な存在なのである。ルパン3世だって仲間が次元と五右衛門だけなら銭形警部に追われるようなヘマはしないだろう。それが峰不二子の登場によって毎度ドタバタしてしまうのである。それがいいと言う人もいるかもしれない。しかし!そんな奴は軟弱者である!敢えて言おう!カスであると!(byギレン・ザビ)過去の作品で3人で戦った作品がないわけではない。しかし大抵は主人公+物語に華を添えるヒロインと視聴者が感情移入しやすい子供だったと。たとえば怪傑ライオン丸ってのは主人公獅子丸と共に沙織と小助という女と子供がいっしょだった。古くはマグマ大使なんかも3人と言えば3人だし。(マグマとモルとガム、あれも結局女子供でしょ)でもそれらは結局主人公が現れるまでの時間稼ぎやハラハラドキドキを増す小道具に過ぎなかった。

ところがサンバルカンはその不純物のない、男3人が力を合わせ世界平和のために戦う歴史上初の硬派なヒーローだった。そこには純然たる男の美学があった。

男が大きな目標を成し遂げようとする時に必要なのはリーダーとして目的達成のためにどんな困難にも立ち向かっていける強い勇気と情熱である。しかしそれだけでは目標は到底達成できない。常に冷静な状況判断で時にはリーダーに対しても自分の考えを主張できるタイプ(真の好敵手は味方になれば最強なのだ)と、どんなに仲間が対立してもそれをまとめ、みんなを笑顔にさせてくれるムードメーカーの2つのタイプが必要なのである。

男の戦いと勝利の方程式、サンバルカンはそれを私に教えてくれた傑作だった。
大学時代にまったく同じ事を考えていた奴がいて感動した事があったっけ。やはりサンバルカンは特別だったのだ。

ところが新作ハリケンジャーが3人と聞いて俺は激怒した。しかも青が女だと言う!なんてことだ。貴様ら戦隊ヒーローの歴史を台無しにするつもりか!と思ってたら出るわ出るわゴウライジャにシュリケンジャーと来たもんだ。そうだ、今の戦隊物は玩具メーカーなしでは番組が作れないんだった。最初から5人で行くより後から増える方が商品販売戦略上は都合がいいよな。よしよし、ガオレンジャーと同じ6人なら問題ない。これでサンバルカンの価値は守られた。

何?次回作アバレンジャーも3人だって?マジかよ〜?

でもサンバルカンは今も私の心の中で戦い続ける、永遠に不滅のヒーローなのだ。(終)